二学期の授業風景

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そんなの使われたら勝ち目なんて無いじゃないか、と常々思っているのだ。 まぁ、本人も明らかにインチキである事を自覚しているあたり、他に使える人は本当にいないのだろう。 「というか、リオン様も使えるでしょう」 口を尖らせて指摘する。 「何を?」 若干勘付いているが、あえて気付いていない振りをする。 「惚けないで下さい。無属性の魔法ですよ」 「そりゃ使えるさ。無属性魔法なんだから」 「崩天のルシフェルが使う無属性魔法は特別である事くらい、俺は知っているんですよ」 「……いや、あれは未だ教えて貰っていない。教える訳にはいかないとさ、あの人が」 目をそらしてそう言うリオン。 くどいようだが、本人であるので、特別な無属性魔法というのを知らない訳がない。 当然、使える。 だが、彼が口を濁したのにも理由があるのだ。 「特別な、無属性魔法?」 ファイの言葉に、珍しくピアナが反応した。 力に興味がない彼女が反応するなんて、本当に珍しい。 カレナの傍に居て、彼女を護る事を常に念頭に置いている彼女が、このような与太話に興味を見せるなんて、今ままでになかったことである。 カレナ付きの一介のメイドであると、自負している彼女が。 ファイ達は彼女の様子を気にした様子は無かったが、リオンだけは彼女の言葉に瞳を鋭くした。 「特別な無属性魔法ってのは、崩天のルシフェルだけが使えると言われている特殊な魔法でね。何でも……」 「ファイ、それ以上は言うな」 舌を滑らかに動かして話すファイを、リオンは止める。 この魔法は彼にとっても、一種の禁忌であるのだ。 「ファイ、お喋りなのは構わないが、話して良い事と悪い事がある位、分かっておけ」 鋭く彼にそう言うと、カレナが好奇心を張り付けた表情でファイを援護する。 「いいじゃない、私だって知りたいわよ。特別な無属性魔法ってやつを」
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