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もし、絶対級の魔法を無効化出来るのだとすれば、それはとてつもない盾になるだろう。
詠唱に多大な時間と、それに応じて膨大な魔力を消費する魔法を、何事も無かったかのように無効化するなんて。
「……脅威ね」
「その通りね」
呟いたカレナに同意するクルド。
決め技の大半が魔法であるが故に、本当におそろしい。
「おいおい、それのどこが脅威なんだ」
深刻そうな表情をしているカレナに向かって、ワルキは口を尖らせてそう言う。
彼は魔術での戦闘を主とせず、近接戦闘を主に行うため、関心が無いのだ。
「馬鹿ね。あんたも来年には身体強化の魔法を覚えるのでしょう。だったらそれも無効化させられるのよ」
「だとしても、相手も条件は同じだろ?」
「同じ条件で崩天のルシフェル様に勝てるの?」
「……たぶん無理」
「それだけじゃなくて、戦場で一瞬をふいにしたら、自分が危険になるのよ?」
「う……確かに」
そもそも上級魔法なんてそう何度も放てるものでもない。
絶対級に至っては、どんなに頑張っても一度きりの切り札だ。
それを無効化された時点で敗北は決定しているようなものだ。
「それが特別な無属性魔法みたいね」
「でも、無属性って、唯の魔力の塊じゃなかったか?」
確かにワルキの疑問は当然のものだろう。
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