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「貴女は日々を生き延びる為に、幼いながらもギルドへ入り、戦いに身を委ねたか、それとも野党のような事をしていたか……何れにせよそう言った経緯があるから、貴女はその若さで……」
「……言わなくて良いわ」
ピアナの言葉をさえぎるクルド。
「きっと否定しても無駄なのでしょうね」
彼女はそう無表情で言う。
クルドが言った通りだとするのなら、無表情で言えるのだろうか。
「彼女の言った通りよ。私は孤児だったわ。生き延びるためだけに、日々を食いつなぐ為に他者から略奪を繰り返していたわ」
無表情で淡々と語るクルド。
リオンですら、辛そうな表情をすると言うのに、彼女は一体どうしてこうまでも無感情に語る事が出来るのだろうか。
「……いつ、ギルドに入ったんだ?」
「貴方達と同じ年頃だった」
これ以上は答えたくないと、彼女は無言で訴えていた。
答える訳にはいかない、と言った方が正しいか。
これ以上は機密に関わる事だろう。
おいそれと一般の子供たちに話していい内容でもあるまい。
丁度、会話を区切るにもよく、担任の授業を終了する声が響いた。
「集合!」
その声を聞いた途端に生徒達は、彼女の前へ集まり一瞬で整列をする。
彼女に逆らうと、後が怖い。
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