面倒臭いだけのひと。

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リオン捜査を早々にあきらめると、溜息一つ吐いて教室へ戻る。やれやれ、見ているだけでも疲れた。 少しばかり重い足を引きずって教室へと戻り始める。 「ファイ、戦術大会の事なんだけどさ」 少しばかり不機嫌を貼り付けた様な表情のファイに、カレナは話しかける。 「戦術大会? ああ……あれの事か」 一瞬、何の事かと思ったが、そう言えば先程担任がそんな話をしていたのを思い出す。 確かに、戦術大会に優勝すればギルドのメンバーとしてすぐさま入れるかもしれないが、そう言った事に非常に無関心なファイは興味がないのだ。 というか、わざわざ優勝しようなんて事は思わない。 平凡で良いのだ、平凡が。 「で、あれがどうかしたのか?」 「あ、そのさ。よかったら、私と一緒のチームで出ない?」 突然の彼女からの申し込み。 流石の彼もこれには驚いた。 「別に俺は構わないが……おまけとしてリオン様がくっついて来るぞ?」 「別にいいわよ。まだ一年生だもの。別に勝ちに行く必要なんて無いわ。それに、勝ちに行こうと思ったら、いつでも行けるし、ね」 「おお怖い怖い。しかし、またなんで俺と組もうとなんて思ったんだ?」 尤もな疑問だ。彼女なら、もっとましなメンバーを選べるだろう。 自分の糧になる為のメンバーを集める事が出来ただろうに。 それこそ、今年は様子見ならそれなりのメンバーを集めて、現在の実力でどれほどまでいけるか、試す筈だ。 そうした方がいいに決まっている。
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