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そもそも、彼女がそんな事を言う立場の人間じゃ無い筈だ。
戦術での修行で忙しいのだ。
マナーなんて余分な事をやっている事は無いはず。
戦闘の際に邪魔になる以外ないだろう。
まぁ、実際の所カレナはテーブルマナー程度なら、覚えている。
実は貴族の娘が多いため、戦略に関する事を少しだけ扱っている。
戦略と言うには余りに拙く、ひ弱な論理であるが。
それに加えてもう一つ。
誰かの支え方、と言うのもやっていたのだ。
どちらかと言えば、これは心理学の一種だが、そんな事なんてどうだっていい。
そもそも、この学校に通っている少女達はそんな事を知る必要性も感じていないからだ。
まぁ、それでも彼女達はそれに対して熱心に聞き入る。
好意を寄せている相手を、「手に入れる為」の手段の一つであるからだ。
男性と言うのは、強いように見えて弱い。女性は弱い様に見えて強かだ。
男性は弱みを見せてしまった相手に対して、好意をわずかながら抱く。
それを慰められ、正面から受け入れられたら一発で落ちる事だろう。
だから、男が見せた弱みを女が真正面から受け止め、慰める。
そう言うのに、男ってのは弱いものだ。
いや、人間は誰しもそうだろう。
表面上では強がって見せても、内面では誰かを欲しがっている。
人間とは、単純で複雑な生物なのだから。
この両方を扱うからこそ、カレナはこの女学院に入ったのであろう。
これらの事は、一般的な学校では取り扱わない。
戦術、特に戦闘に関してはあまりに基本的な事ばかりだ。
剣の持ち方と振り方、敵の倒し方を教科書通りに教えるだけなのだから。
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