面倒臭いだけのひと。

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よくよく考えてしまえば、面と向かって言うのはかなり恥ずかしいものである事に気がついた。 先程はかなり興奮していて、アドレナリンが全開だった為に、そう言った羞恥心がわかなかったのだが、頭を冷やして冷静になった今となってはあまりに恥ずかしすぎて言えない。 「なんだよ。俺の飯を台無しにしてまで聞きたかった事だろ」 どれだけ飯が大事なんだよ。 食べ物の恨みは恐ろしいと言うけれど、流石に恨み過ぎである。 「どうせ、リオン様がらみだと思うけど」 溜息を吐いてファイは呟いた。 あの人以外にこんな事を起こすなんて考えられない。 崩天のルシフェル改め、トラブルメーカーにした方がいいのでは無いのだろうか。 「いや、今日はちょっと、情報源が違うの……」 目をそらしたまま彼女は言った。 カレナが突撃してきた理由としては、リオンに話を聞いたからでは無い。 「リオン様じゃないのか? だったら一体誰が変な事を吹き込んだんだよ」 「……委員長よ」 「委員長? 何であの人が。と言うか、一体何を言ったんだよ」 「それは……その……」 視線を泳がせながら、言うのをまだ躊躇っているカレナ。 此処まで来たら、流石に後には引けない。でもやっぱりいいたくはない。 踏ん切りのつかない彼女の対して、横から言葉が舞い踊る。 「ファイ様がワルキに告白をしたという話です」 ファイが一瞬硬直する。 我が耳を疑ったのだ。そして、空耳である事を願った。 「えっと……ピアナ。もう一度言ってもらえるかな? 俺が誰に何をしたって?」 冷や汗を流しながら、ファイは尋ね返す。 「ですから、ファイ様が、ワルキに、告白をした、と言う事をです」 今度こそファイの時間が止まった。 そして、絶叫してしまう。 「なんだとおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!」 ファイにそんな事をした心当たりは一切ない。 そもそも、彼自身はいたってノーマルな趣味だ。 決してホモでは無い。それはワルキにとっても一緒だ。 二人とも、それぞれ女の子に対して恋をしているのだから。 「なんでそんな話があるんだ!」 唾を飛ばして、カレナに詰め寄るファイ。 「私だって、分からないわよ! それを聞くためにここに来たんだもの!」 負けじと彼女も怒鳴り返す。 「知らねえよ! 俺はあいつに告白はしてねぇし、そもそもホモじゃねぇ!」
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