5.潔さって意外に大事

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教室に戻った途端、 「ちょっと」 「!?」 桜田に襟首を掴まれた。そのまま廊下まで連行。 「晴海…泣かした?」 怒気も詰問も含まれていない、普段通りの桜田の声。だがその顔は、ガラス細工みたいだった。 『答え次第では、只では済まさない』。無表情そのものが、そう言っている。 「えっと、実は…」 ことのあらましを、所々省略しながら説明してやる。 話が進むに連れて、桜田の顔が、明らかにイラついてきた。 はい、弁解開始。 「すまん! オレが付いていながら何もできなかった!謝る、この通りだ! だから殴んないで…」 「分かってる」 やんわりと返す桜田。 「宍戸には、もう一発喰らわしたんでしょ?」 「…ああ」 「じゃあ、これから息の根を止めてくる」 「…いや、分かってねぇじゃん!」 「ウソウソ。そんなことしないって」 眩しい笑顔に戻り、快活に返してくる。 「それに…神崎君には、感謝しなきゃね」 「何を?」 「何もできなかったって言ったけど、晴海のことは、ちゃんと守ってあげたんでしょ?」 「本人の代わりに、宍戸のバカをブッ飛ばしただけだがな」
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