13人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで浜崎君。さっき君がタイムスリップしたとき、何故ファミレスの外にいたのかわかるかい?………いや、わかっているようだね」
「僕が望んだから………ですか?」
「そう。端的に言えばこの【時】のアメは、いわば『タイムマシン』のようなものなんだ。君はアメを食べる前、僕に対する苦手意識からか『早くここを出たい』と望んだ。それがアメの能力に反映されたんだ。現にタイムスリップした直後、笹山君と共にもう一人の君がファミレスから出て来たんだろう?」
「出て来ました。そうか………あれは未来の僕だったのか。言いづらいけど確かに『早く出たい』とも思ってたし………」
「………そして君はアメを食べ、笹山君と共にファミレスを出る瞬間の未来へとタイムスリップした。実はそこで君は最も注意すべき『未来の君』とのニアミス状態に晒されたんだ。だが君は、衝突を上手く回避した」
「?………どういうことですか?」
「高野、お前難しい言葉使わずにもっと簡単に説明しろよ。わかんねーよ」
相変わらず笹山君は口が悪い。
僕は小さくため息をつき、説明を続けた。
最初のコメントを投稿しよう!