憂敬──長月 二十七 ノ 日

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  包みを開けると、中には蒸かした芋が二本 入っていた。 「……なんだい日本、まさかそれが夕食かい?」 横からそれを覗き込んで来たアメリカさんが怪訝そうに言った。 「そうですが…何か?」 「それっぽっちじゃ足りないだろう?チョコでもいるかい?」 アメリカさんはポケットから菓子を取り出して、私の方へと差し出した。 「いいえ、結構です」 「………ふーん。そうかい」 アメリカさんは、断った私を心底不思議そうに眺めている。 それには構わず、私は胸の前で手を合わせた。 「いただきます…」  
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