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俺と同い年の彼女の家は、大きな会社を経営している。
隣にある、決して古いわけでも汚いわけでもない我が家がみずぼらしく見える立派なお屋敷のお嬢様。
親同士が仲良しで、別の高校に通う今も、時々家族で飯を食いに行ったりする。
「赤羽…赤羽紗菜?」
「そう!知り合いかい?」
「ええ、まあ…」
ていうかあなたが、紗菜と知り合いなんですか。
「ありがとう少年。助かったよ」
「いえいえおかまいなく…」
おばあさんを紗菜んちの門まで送り届けて、俺は家に向かう。
紗菜の家に比べると小さな家に入るのがなんとなく恥ずかしくて、俺はおばあさんが門の向こうに消えたのを確認して、玄関を開けた。
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