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ハルカ、微妙な心境。
「あのそこそこ長さのある黒髪といい、吊り上がり気味の目といい・・・、かけてたメガネまで一緒だったんじゃねぇか・・・?;」
蘇る記憶と照らし合わせる。結果、多過ぎる合致点。
「もはや相違点は出身地と名前だけか・・・?;」
ハルカ、ちょっと物思い。
それにしても・・・、まさかまた友達のそっくりさんに出くわすとはな・・・、
・・・、いや、"だからこそ"、か・・・?
どちらにせよ"よっちゃん達の仲間"という辺りで、片隅にでも予想すべきだったかもしれないな・・・、
・・・、ん?
と、そこまで考えたところで、ふとある考えが過ぎって、ピタっと足が止まる。
てことは・・・?まさかこれからもそんな事があるかも・・・?
"二度ある事は三度ある"とも言うしな・・・、
・・・だとしたら次は誰が出て来んだろな・・・、;
ゔーん・・・、;
ハルカ、複雑な心境。
「・・・、」
と、色々悩みながら、ふとハルカは思い出す。
それにしても・・・、最後にコウに突っぱられた時の・・・、
『"俺はお前の事、まだ認めた訳じゃないから"。ソコは勘違いするな。』
あの時のあの目・・・ていうか、あの感じ・・・、
何だろう・・・、何となく・・・ただつんけんなだけじゃなくて、他にも何かある感じが・・・、
そして多分・・・、俺はその感じを知ってるような・・・、
何だっけな・・・、えーと・・・、
・・・ゔーん・・・、;
ハルカ、悶々。
と、ひたすらに考えを廻らせていたその時、
ゴーン
と、数回、大きな鐘の音が、ハルカの鼓膜を振動させた。
、!
鐘の音・・・?
音に反応して顔を上げるハルカ。すると、気付けば辺りには影が増え、陽の位置はもう西の空。いつの間にか、町は茜色に染まる夕暮れ時になっていた。
もう陽があんなに・・・、てことは・・・今の鐘は夕刻の知らせ、か・・・
、!って、やば・・・!リナ待たせてる・・・!早くアリスの家に行かなきゃ・・・!
思い出して、ちょっと慌てて、ハルカはその場を駆け出した。
もうすぐ沈まんとする夕陽と、アリスの家へと急ぐハルカと、一時の競争。
その行方を知るのは、ハルカを待つリナ達と、空に舞う風だけ。
ソレは忙しくも長閑に過ぎて行った、ほんの些細な、夕暮れ時の事だった。
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