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僕が遠い目をしていると、男は悟ったのか僕の肩を叩いた。
「皆、もう諦めてんのさ。遅かれ早かれ皆死ぬだろうし、世紀末って奴で他の人間の役に立てるかも知れねえ。いわゆる人柱だが、まあ残りの人生たっぷり楽しもうってこった。太く短く!」
男は声を張り上げ、それは楽しそうに笑った。
気付かない馬鹿はそういない。
命を諦められる奴なんて、そういない。
「そんな、そんな簡単に諦められるんですか」
「簡単じゃねえよ」
そう、唸るように言った。
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