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「ジュンのやろう…あんなバカ高いもん頼みやがって!サンタも不況だっつの!」
1時間後、ほぼ1ヶ月の小遣いと引き換えに包装されたプレゼントを持って店を出た。
昼は陽射しが暖かいが夜は寒さが体に染みる。紙袋を小脇に抱え、足早に駅を目指す。
街には定番になったクリスマスソングが流れる。10年前と変わらない。
クリスマスイヴ、まだ高校生だった冴子にプロポーズした。
義両親には反対されたが、押し切った。
翌年産まれたジュンは今年小学3年生になった。
それでも冴子はまだ28歳。独身でもおかしくない年齢だ。
「…高ぇな…。みんなどーやってこんなもん買ってんだ?」
ジュエリーショップのウィンドウにディスプレイされたネックレス。
値段は出た分だけましなボーナスがぶっ飛ぶ額だ。
…もうちょっとお手頃な値段なら…。いや、やつらのプレゼントでもう財布はお寒いんだったっけ。
まだヒロのプレゼントも残ってる。肩をすぼめ、改札口へと急いだ。
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