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ある家で、茶髪の少年…いや、青年にも見える男がとても気持ち良さそうに寝ている。
童顔なのか、はたまた大人っぽいだけなのか…どちらとも言えない見かけである。
…とりあえずは、青年…ということにしておこう。
その青年のもとに、綺麗な金色の髪にエメラルド色の瞳を持った綺麗な女性が近寄ってくる。
そして、寝ている青年のベッドの近くに来れば腰に手を当て怒鳴りつけるように声を張り上げる。
「…トモ!智輝(ともき)!ほらっ!もう朝よ!起きなさい!」
「ん~……」
茶髪の青年――智輝は、唸るだけは唸るが…起きる気配は全くない。
それを見た金髪の女性は呆れたように小さくため息を吐き、張り上げていた声のボリュームを少し下げて再び青年に話しかける。
「今日は大切な日なんでしょ?遅刻するわよっ!」
「…ん~……今、何時~…?」
「7時よ!あと30分くらいで出ないといけないんじゃないの?」
「しち…じ…?……うっそ!?うわっ…静菜(しずな)さん、ありがとう!」
智輝は、金髪の女性――静菜の言葉を眠そうながらに繰り返し少しの間を空け、やっと状況を理解したらしく…アクアマリン色の瞳を開け、ガバッと体を起こして起きた。
「ん!起きたわね。んじゃ、着替えて顔洗ってリビングに来なさいね。ご飯作っとくから」
「うん、わかった。ホントにありがと!」
智輝のその言葉を聞けば静菜は軽く手をヒラヒラさせてから部屋を出ていった。
すると、智輝はベッドから降り…ドタバタと忙しなく服を着替えだした。
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