はめつへの足音

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―――1日目――― 昨晩は結局あれから何一つ言葉を交わすこともなく、いつものロッジへと帰って来た私たち。 顎の少し下がジンジンと痛むのを少しだけ気にしながら私はいつもと同じクライムへと視線を向ける。 ベッドに寝そべって天井を見つめる彼はやっぱり何を考えているかわからない。 好き、 あなたが私を好きになることなんてなくても 私は私の意思でここにいたい。 見返りの愛なんていらないのに 見返りで得る【何か】だなんていらないって思ってたのに 「何見てんだよ」 好意なんて向けることのないあなたに胸の奥がきゅうって痛んだ。 おかしいよね これじゃまるで私 「何でもない…ごめんね」 あなたから愛されることを望んでるみたい こんな無い物ねだりで我が儘な私は嫌い だから見えないように 「クライム、明日もどこか連れていって」 無理矢理笑顔を作って蓋をした。 こっちを見るクライムの眉が訝しげに歪んだけれど、それさえも見ないフリ。 だって 「好きだよ」 一方通行でも純粋に愛して行きたいの。 私の言葉はもう聞き慣れてしまったらしいクライムはもう私の方なんて見てなくて、最初見ていた天井へ視線を戻していた。 返事が返されることもない。 これでいいの 始めからわかってたことじゃない。 一目惚れしたのは私の方で 彼は私の… どこか一つだって惹かれてはいないの。 もやもやがどんどん重たくなる。 そんな一日目。
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