始まりは、いつものごとく突然に

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カツ…カツ…カツ…。 学校の廊下に固い音が響く。 それは、何者かが床を歩く足音だろう。 その足音が段々近付いてくるにつれ、奇妙な音が聞こえ始めた。 カツ…カツ…カツ…。 ズル…ズル…ズル…。 それは、何か柔らかいものを引きずっているような音。 柔らかいもの。 そう、例えば――人間。 カツ…カツ…カツ…。 ズル…ズル…ズル…。 その音源は、一人の男子生徒だった。 その男子生徒は、何か良い獲物でも見つけたかのような嬉しそうな笑みを浮かべている。 彼の手には顔が真っ青になっている、これまた男子生徒。 笑みを浮かべている男子生徒はそれを引きずりながら、一つの部屋へ入っていった。 その部屋は―― ――『新聞部部室』 .
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