第1章 落ちこぼれ…

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季節は12月…。 初雪はまだ降らないが、すでに街にはクリスマスツリーがいろいろな場所で飾られていて、24日の聖夜を待つ人達であふれている。 今日は本当に寒い。 日差しは出てるけど北風がスゴく冷たくて、ガリガリ君をほったらかしにしていても、数日は確実に溶けないでそのまま残るくらいだ。 通学路として駅前を毎日通る、そこは当然人が多く行き交う場所だが、俺は慣れた足取りで人と人との小さな隙間を見事にくぐり抜ける。 これが履歴書には書くことの出来ない俺の数少ない特技の1つなのだ。 おっと、今俺の目の前を通り過ぎた甘い香りの美人。 彼女の鼻からフワッと白い息が出てて、ギャップがあまりに強く腹を抱え俺は笑う。 遅刻はしない、途中から教室に入るのは柄にもなく何だか恥ずかしい。 朝にしては以上なまでのテンションをもち、俺は冬休み前の最後の学校へと登校していた。
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