恋の甘さが届く夜に(A)

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「ちょ、勝手に……」 僕の制止を無視し、勝手に部屋に入るアリエッタ。 「花瓶ないの?お花がしおれちゃう」 「あるわけないだろ……」 アリエッタは、あたかも自分の部屋にいるかのように透明なシンプルなグラスを取り、水を入れて花を生けた。 「ね、シンク。 来年は何が欲しい?」 僕が半分まで食べて半月の形になったケーキを、アリエッタは切り分けながら言った。 「……別に、何でも。 っていうかイオンにはあげないわけ?」 「イオン様に?」 キョトンとした表情で、アリエッタは言った。
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