恋の甘さが届く夜に(A)

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仕事が終わってダアトに戻ってきた僕は、喉が渇いたので、調理室に向かった。 「……え、シンク……?」 「……何してんの、アンタ」 アリエッタがいた。 なぜかエプロンをつけて、髪を結わえていた。 「今日は……クリスマスだから、ケーキ作ってたです」 「ふうん」 どうせ、イオンに渡すんだろ。 イオン様イオン様。 わかってたけど、やっぱり僕は、無いのも同然なんだね。 ミネラルウォーターのペットボトルを持ち、調理室を立ち去ろうとする。 「……食べますか?」
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