恋の甘さが届く夜に(A)

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『シンクへ お仕事、お疲れさま。 何をあげていいか わからなかったから ケーキを作りました。 よかったら、来年は 欲しいものを教えてね。        アリエッタ』 「これ……」 俺がカードを読んでいるうちに、アリエッタは立ち上がって服を整えていた。 「シンクのために作ったの! なのに、なのに」 アリエッタの目から、なみだがぽろぽろとこぼれ落ちる。 「ちょ……」 「ひどい!シンクのばかあ!」 アリエッタは、走ってどこかへ行ってしまった。 「なに、それ」 僕のためにクリスマスプレゼント? 笑わせる…… とりあえず食べかけのひとくち欠けたケーキを食べ、1ピース抜けたホールケーキとラッピングとカードを持ち、調理室を離れた。
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