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「あ~あ、なんかラジオやってねぇんか?」
俺は渋滞でのんびり走る
車にイラつきながら
ラジオをいじった。
「おいこれって…2PACじゃねぇか!!」
「あぁ確かにな、Hit'em upか」
ビッグはそういいながら
車のクラクションを
ベースにあわせながら
鳴らした。
「東西ヒップホップ抗争か…そういやあれから3年くらい経ったんだよな」
東西ヒップホップ抗争…
それはヒップホップ史上
最悪の争いだった。
当時俺らはまだ17あたりの
ガキだったから
TVやラジオなどで
DISソングが流れる度に
興奮してたもんだな…
その中でも2PACの
Hit'em upには驚いたよ。
だってタイトルが
[皆殺し]なんだぜ
音楽業界でも
こんなヤベェ歌なんて
あるか?
「ハッハッ、シャクールは俺を見かけたらグロックを出せよって言ってたのが、マジになったな」
「ビッグは相変わらずビギー派だな」
「あたりめぇだろうがマイキー!ビギーは俺と同じ巨漢だし、何よりレペゼンEAST COASTだぜ!」
「音楽にレペゼンなんて関係ねぇだろ?地元が東だろうと西だろうと聞きたい歌を聞けばいいんだよ」
「マイキー、お前は相変わらずシャクールなんだな。そんなに巨漢なラッパーが嫌いか?」
「ビッグはレペゼン家畜だよな」
「なんだとミード!!」
俺らがそう会話してると
アトミックが
割り込みビッグに
そう言った。
「別に間違ってねぇだろ?」
「いいか!俺はレペゼン…」
「家畜!!」
俺とアトミックは
声を合わせてそう言った。
「畜生め!バカにしやがって」
そんとき後ろの車が
クラクションを
鳴らしてきた。
するとビッグは車を
一気にバックさせ
後ろの車にガツンと
ぶつけた。
「クソったれ!!よくも親父の車に傷付けたな!」
サイドミラーで見たら
後ろの車から
20くらいの白人兄ちゃんが
出てきてこっちに
向かってきた。
よく見ると助手席に
ビッチがいやがる。
どうやらドライブ
デート中みたいだな。
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