39人が本棚に入れています
本棚に追加
喫煙所を覗くと、父が難しい顔をしながらタバコを吸っていた。
「お父さん」
「おぉ、優。来たか」
「うん」
隣に座り、私もタバコを吸った。
「優もタバコ吸う年なんだな」
「そうだよ。もう成人式だし」
「そうか。」
「うん…。ねぇ?お母さんの病気は」
「母さんな、肺ガンなんだ。発見した時にはもう手遅れでな…。あと、3ヶ月か4ヶ月くらいしか…
そう言うと、父は言葉を詰まらせた。
私は黙って聞くしかできなかった。
「そっか…。そろそろお母さんのとこに戻ろうか。お母さん心配するよ」
「そうだな…。まだ母さんは何も知らないから、言わないようにな」
「うん。私、売店で花買ってから行くから。」
「わかった。じゃあ、先に戻ってるな」
「うん」
私は売店に、父は病室に向かった
最初のコメントを投稿しよう!