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翌朝、ハヤトは黒いスーツを着て屋敷の掃除をしていた。彼が執事として最初に命じられた仕事で、何の文句も言わずに手慣れた手付きで黙々と進めていく
しばらくしてハヤトは自分が担当している区域の掃除を終えると、執事長なる人へと報告に向かった
「終わりました。次は何をすればよろしいでしょうか？」
ハヤトは事務的に仕事が終わったことを告げると、執事長は座っていた椅子から立ち上がりハヤトの肩を軽く叩く
「君に頼みたいことがあるのだが」
「はい、何でしょうか？」
執事長の深刻な口振りにもハヤトは一切動じることもなく淡々と訊ねる
「ナギ様と同年代ということで専属の執事をしてくれないか」
「分かりました……はい？」
流れで答えたハヤトに執事長は嬉しそうに笑い、再びポンと肩を叩くと有無を言わせず背中を押して部屋から追い出した
ハヤトはどこか釈然としない気持ちで昨夜のうちに教えてもらったナギの部屋へと行くことにした
「専属って何すればいいんだ？」
彼女の部屋に向かう途中ハヤトはふとそんなことを思った。仕事をし慣れていると言っても執事なんてやったことはない
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