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ハヤトはこうなれば何を言っても無駄であると1ヶ月の間に学んだ――執事長とナギに教えてもらった――ので溜め息を気づかれないように小さくついてから、口を開く
「わかりました。私もコンプリフェンシブに入ります」
ハヤトは学費を払ってもらう以上、相手の意思に背くという行為だけはしたくなかったので、入る場所を戦闘高等科に決めることにした
「おぉ、そうか。では手続きは私がしておく。3種類の魔法についてはナギから教えてもらってくれ」
ルークは早速入学手続きに必要な資料を引き出しから取り出すと羽ペンを用いて必要事項を埋め始めた
ハヤトは邪魔をしてはいけないと、挨拶と一礼だけしてからルークの書斎を後にした
「ハヤ君!」
「うぉっと。どうかいたしましたか、お嬢様?」
部屋を出るなり待ち伏せしていたナギが抱きつく形で飛び込み、ハヤトはそれを受け止め倒れないように後ろ足を踏ん張った
ハヤトは取り敢えずナギを引き離すと不満そうな視線を向けられ、何か悪いことをしたのかと記憶を遡ってみる
「こ・と・ば・づ・か・い!」
ハヤトが答えを出すよりも早くナギが腰に手を当てて解答を言ってしまった
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