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ハヤトはナギに言われ今日が仕事の休みの日ということを思い出したので、いつもの言葉遣いに戻した
「悪かったよ、ナギ。さっきルーク様に呼ばれてたから敬語のままだったんだ」
「もぅ。今度からちゃんと気をつけてね
それじゃ私の部屋に行こ、ハヤ君」
ナギはハヤトの手を取るとその手を引っ張って自分の部屋に連れていこうとする。この行為に馴れてしまったハヤトは恥ずかしがることも抵抗することもせずに、ただ連れていかれるだけである
「そういや、なんでさっき抱きついてきたんだ?」
「え…………?」
質問にナギがフリーズした。そのせいで後ろをついて歩いていたハヤトはナギにぶつかる
「いたっ。おい、ナギ。いきなり止――」
「あーーーーーっ!!」
いきなり止まったので、ハヤトはナギにぶつかり怒ろうとするが、ナギの大きな声でかき消されてしまった
大声を出した当人はハヤトの手を離して、いつもからは想像できないほど俊敏な動きで踵を返すとハヤトの肩に両手を置き揺すり始めた
「どこにも行かないよね、ハヤ君! ずっとここにいてくれるよね! お父さんだった私がどうにかするから!」
「ちょ……ナギ……とめ……ろ。頭がシェイクされ……る。気持ち……悪い……」
ハヤトの制止を訴える声も虚しく、取り乱しているナギが止まる気配は一向にない
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