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塔を出るとハヤトはプリントに目を落とした。それは塔の周りの区画で居住区のマップで、寮と思われるところには番号が振ってある
「へぇ、店とかもこのスペースにあるんだな」
「うん、そうなんだよ。んと、ハヤ君の寮は」
ナギはハヤトが持つプリントを横から覗き見て、勝手に確認する。そして、どこかが判るなりハヤトの手を取って歩き始める
「お、おい、いきなりどうした?」
「んとね、ハヤ君と私の寮棟、同じとこなの。私、プライマリのころからアクアガーデンにいるから、案内してあげるよぅ」
「いや、だから手を繋ぐ必要はないだろ」
ハヤトは周りの目があるからと恥ずかしく思い、顔を朱に染めており、その原因であるナギの手を放そうとする
「だ、ダメなの?」
ナギは今にも泣きそうで、瞳には涙が溜まってきている
ハヤトはここで泣かれるのは困ると、空いてるほうの手で頭の後ろを掻きながら繋いでる手に力を入れた
「今回だけだからな」
「うん! それじゃいこ!」
ナギは一瞬で見ているほうが恥ずかしくなるようなくらい眩しい笑顔になり、ハヤトと共に居住区へと足を進める
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