14話 恋の袋小路?

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「二人とも疲れた顔してんね」 と相変わらず元気そうな悠君も私の席まで来た。 「悠君は元気そうで」 「……昨日よりさらに元気そう……」 とは愛良ちゃん。 「そう見える? 日本史でさー、教科書には載ってないけど、知ってる武将名がテストに出てちょっとテンション上がったんだよねー」 悠君は満面の笑顔になる。 「あ、そ、それって、便覧の隅っこに名前があった人!?」 思わず食いつく。さっき悩んだやつだ。 「そうだっけ。あー、載ってたかな」 少し考える顔をしてから悠君は答えた。 「私……最初の一文字しかでなくて、変な名前で書いてテストだしちゃった……」 何となくで名前を書いて、テストの後で便覧見たら一文字しか合ってなくて恥ずかしかった。 私はまた思い出して俯く。
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