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次の日、未來が目を覚ますと智尋は先に起きていた。
眠そうな目を擦りながら、辺りを見回した未來は、他の園児達や先生の姿が目に入った。
そして無意識に未來が探していたのは、智尋の姿である。
智尋君……
どこかなぁ……?
「わっ!!」
「きゃーっ!?」
未來を驚かした声の主は、智尋だった。
驚く未來を見てケラケラと笑う智尋は、昨日の事など何もなかったように普段通り振る舞ってくれる。
「おはよ~!」
いつもなら「驚かさないでよ~!バカ!」なんて文句の言葉の一つも言える未來だが、今日はなぜか言い返す事が出来ずに、少し頬を赤らめて、智尋から視線を逸らすように俯いた。
「おはよ……」
「怒った?」
智尋がニコッと笑って、未来に問い掛けると、未来も普段通りの笑顔を見せる。
「怒ってないよっ!」
こんな会話をしていると、先生がみんなに向かって声をかけた。
「みんな起きた?朝ご飯を食べたら出掛けるわよ?」
「はいっ!!」
園児達の元気な返事の中で、智尋と未來も負けじと返事をしたのだった。
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