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いくら考えても先輩の事を思い出せない俺は、ジッと先輩を観察してみる事にした。
スラッとした脚、キュッと締まった腰、綺麗な指先、整った顔に合った髪色…この人完璧過ぎる!
ついつい嫉妬してしまいそうな容姿の持ち主だ。羨ましい…!
俺もそんな容姿だったら、女の子にモテてたのにな。生憎俺はこの17年間、女の子から一度もモテた事が無い。
※実際は女の子からモテていたけど、鷹が気付かなかっただけ。
「そんなに見つめられても困るんだけどな…」
「あ、すいません」
俺の視線が嫌なのか、先輩は苦笑しながら何故か俺の後ろに立った。
「別に視線が嫌だから君の後ろに立ったわけじゃないよ」
「じゃあ何で…」
「んー、欲情した顔なんて見せたく無いからね」
「なるほど、…って欲情!!?」
先輩の言葉を流しかけたけど、さっき欲情って言ったよな!?
誰に欲情したんだ…てか、ここ教室ですよ。みんな見てますよ?
と、教室を見渡したら俺達以外は誰も居ませんでした。
「えええっ!!?」
「いきなり大きな声出してどうしたの?」
「いや、教室誰も居ないんですけどっ!」
「だってもう1限目始まってるよ」
「嘘!?って事はみんな俺を置いて行ったのか…」
時計を見ると確かにもう1限目の時間帯だった。俺はみんなに放置されたまま寝てたということになる。ちょっとクラスメイトに殺意が湧いたのは秘密だ。
「鷹」
「え、何で俺の名前…っ、ひ!」
どうやって先生に言い訳しようか悩んでいたら、急に耳元で先輩に名前で呼ばれて…耳をねっとりと舌で舐め上げられた。
「耳、弱いんだね?」
「何して、っう!?」
クスクス笑ったかと思ったら、後ろから手が伸びてきて、ズボン越しに中心を撫でられる。
全てがいきなりすぎて頭が付いて来てない。だから抵抗するのも忘れてて、顔を赤らめる事しか出来ない。
「可愛い声…もっと啼いて?」
この人、あんな甘い顔してS属性なのかと思うとゾッとした。
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