逃走2日目:貞操危機一髪

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Side.? 今日も学園は平和です。 …と、一度は俺も言ってみたいもんだ。 今日は珍しく放課後まで何事も無く平和で、今日こそ平和だと言えると俺は思っていた。…だが神様は甘くは無かった。遠くから聞こえる無数の足音に俺は嫌でも分かってしまった、気付いてしまったんだ。 「(ああ、平和が崩れていく…)」 周りを見渡すと所々で溜め息を吐く奴が大半で、皆もこの煩い足音で俺と同じ事を思ったんだろう。 さて今日はリンチか、はたまた強姦か…それとも三角関係の縺れからくる痴話喧嘩か。 何にせよ、今日も風紀委員会は出動しなければならない事にズキズキとするこめかみを押さえて、俺も部下達みたいに重い溜め息を吐いた後に全員に聞こえる声量で話した。 「……出動準備しておけ」 心なしか俺の声は普段より疲れたものだったが、それには気付かない振りをして来訪者を待った。 _
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