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「はぁ…俺、泣きそう…」
トボトボと転校生がいるであろう門を目指して歩きながら、先程のやり取りを思い出して憂鬱な気分な俺。
…そういやまだ自己紹介してなかったな?
俺の名前は青葉 鷹。
容姿も中身も平凡な高校2年で、この学園には高等部から入った男だ。この学園、翡翠蒼炎学園は全寮制の男子校。
そして…
「あっ、んん…ぅ!」
「声抑えねーと誰かに気付かれるぞ?」
「やっああっ…」
「(全部聞こえてますけど…)」
閉鎖的なこの環境、しかも男ばっかりだからかよく分からないが…この学園には同性愛者が多い。
別に同性愛に偏見は無い(恋愛は自由だからな)が、こう…堂々?いやオープンと言うべきなのか…?まあ、場所とか考えて盛って欲しい。
ちなみに俺はこの学園には珍しいノーマルだと主張しとく。
色々脳内で考えている内に見えてきた立派な門。
「あー、来てしまった…」
門を視界に捉えた瞬間、自分の足が重たくなった。
つまり、近付きたくない。
「けど行かないといけないんだよなー…」
脳裏に過ぎるのは、先生の笑顔とあの台詞。
「…気を取り直して行くか!」
重たい足を無理矢理動かして門へと急いだ。(先生に犯されるのは御免だ!!)
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