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私はお茶を入れに行く。
「純矢くん・・・いっぱいチョコ貰ったと思うけど・・・これ」
美佐は恐る恐る純矢に袋を差し出す。純矢は凄く嬉しそうに、美佐が差し出した袋を受け取る。あんな嬉しそうな純矢は今まで見た事が無いかも。
「美佐、ありがとう」
純矢は嬉しそうな表情を美佐に向ける。美佐も凄い嬉しそう。
私は純矢と修一に紅茶を出す。純矢は嬉しそうに袋からチョコが入った箱を取り出した。箱を開けると綺麗な生チョコが出てくる。
純矢は一口チョコを食べる。
「どうかな?」
美佐が恐る恐る聞くと、
「凄い、美味しいよ。美佐ありがとう」
純矢と美佐に良い雰囲気が作られてる。完全に私と修一がいる事を忘れている気がする。
純矢が不意に私に手を差し出す。私が不思議そうな顔をする。
「毎年恒例だろう」
・・・私は今まで毎年純矢にチョコをあげていたから、今年ももらえるもんだと思っているらしい・・・彼女の前でその態度。さすが純矢かも。
私はしぶしぶ、冷蔵庫を開けて、美佐にあげた同じラッピングの箱を渡す。
「美佐、安心して。義理チョコだからね」
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