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~修一&純矢編~ それは、美保と修一が付き合い始めて少し経った頃の出来事。 ――――――――――――――― 昼休み・・・僕は松岡に呼び出されたので、屋上に向かう。 屋上に着くと、既に松岡がいた。 「松岡」 僕が松岡に声を掛けると、松岡が振り変える。 「よっ」 「話ってなんだ?」 僕が話を促すと、 「・・・美保の事頼むな」 松岡はいきなり真剣な表情でそんな事を言うから、僕は驚いて松岡を見る。 「あいつはさ、俺の幼なじみだからな」 そう言った松岡の表情はどこかさわやかだ。 「それだけじゃないだろう」 僕がそう指摘する。僕は松岡の中にある柏木さんへの想いを分かっていたから、敢えてその事を口にする。今後の事を考えるとハッキリさせた方が良いと思うから。 「・・・まぁ、さすがに気付くよな・・・美保は俺の初恋のやつだ。だからちゃんと幸せになってもらいたい。」 松岡はそう言って苦笑する。僕は松岡の言葉を真摯に受けとめる。 「お前になら美保を任せられると思った・・・だから美保の事泣かすなよ。美保の事泣かしたら許さないからな」
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