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「星空、綺麗だよね。」
私がぽつりと呟くと、里中くんも星空を眺めて、
「そうだね」
応えてくれる。二人だけの静かな時間。なんかこんなのもたまには良いかも。しばらくお互い無言で星空を眺めていると、
「・・・・・・美保」
里中くんに、優しく名前を呼ばれた・・・初めて名前を呼ばれて、私はドキドキする。
お父さんや純矢に名前を呼ばれる時とは違う、不思議な感覚・・・好きな人に名前を呼ばれるのって、凄く嬉しい。
私が里中くんを見ると、
「美保?」
また、名前を呼ばれる。凄く幸せ。私は自然と笑顔になる。
「名前呼んでくれた」
「嫌?」
「うんん、凄く嬉しい」
私が首を振って、言うと、里中くんの顔が少し赤くなる。そんな姿がちょっと可愛い・・・そんな事言ったら怒られそうだけど。
「じゃ、美保も僕の事、名前で呼んでよ」
「えっ」
里中くんがニッコリ笑顔でさらっと言うから、ビックリしちゃう。私、男の人で雅人と純矢と和也くん以外に名前呼びする人がいないから、戸惑ってしまう。
「美保?」
里中くんが顔を近付けて私の顔を覗き込んでくる。近い。
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