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「ん?なんだハゲじゃねーか、散らかしてんじゃねぇよ」
「散らかってないわ!俺のは整備された…じゃなくて、今日はどうしたんだ?」
「赤が…赤が俺の行く手を阻んできたのさ。大勢でな(信号機的な意味で)」
「なっ…ジヲンの赤い彗星だと言うのかッ!?」
海斗が何を言ってるのかわからないのでスルーした。
「そこうるさい!」
今授業している瑞希先生(31歳独身、見た目は若いが三十路を超えて結婚してないのでそっちの話題に触れられるとあからさまに不機嫌になるので注意しよう)のご機嫌を損ねたらしい。
反省反省、と。
あれ?なんか先生が俺だけを睨んでるのはきっと気のせいに違いない。
「お前瑞希先生になんかしたの?」
「何もしてない…はず」
「フフフ、いい度胸ね…」
先生のまわりの空間が捻れている…!?
「いや目の錯覚だきっとそうだ」
俺もついに邪気眼使いになってしまったのか。
「すいませんでした!」
すぐさま立ち上がり謝った。
なんというか、このままでは殺される気がした。
邪気眼使いとして。
次はないからねと言う忠告を受け、授業は再開する。
死の危機を免れて安心したのだろうか。
しばらく授業を聞いていると、朝全力で走ってきた疲れがどっと押し寄せてきた。
俺はその波に逆らうことなくゆっくりと瞼を閉じていった。
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