347人が本棚に入れています
本棚に追加
信号に捕まるとやっかいだ。
頼む、変わらないでくれ。
横断歩道を渡ろうと全力で走り続ける。
素晴らしいことに祈りが神に通じたらしい。
点滅開始。
「だぁぁぁぁぁぁぁ!ふざけんなぁぁぁぁぁ!」
やはり…というか、予想通り…というか、間に合わなかった。
今思えばコレも暗示だったのかもしれない。
コレのおかげで、いや、むしろコレの『せい』で…
「ハァ…ハァ…運悪っ」
膝に手を当て肩で息をする。
遅刻へとまた1歩近づいたことに焦りが頭を混乱させていく。
だからといって止まっている場合ではないことくらいはわかる。
信号が青に変わる寸前にボルトもびっくりフライングスタート。
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
周りの目?遅刻に比べればマシだ。
軽蔑とも侮蔑ともつかないような視線を受け、ようやく海斗と別れる公園が見えてきた。
最初のコメントを投稿しよう!