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よっしゃもう少しで着く!!
ハイペースを維持したまま公園の脇を駆け抜けようとした刹那―
「うわっ!」
「きゃッ!」
視界に影が写り、次の瞬間には強い衝撃。
きっと公園から何か飛び出してきたのだろう。
その『何か』にぶつかった反動で尻餅をついてしまった。
「いっててて」
何なんだよもう!
ただでさえ時間がないのに余計に時間を潰され、苛立ちからぶつかった方を睨みつける。
……が、
「……あ」
そこには俺と同じ体制になっている女の子。
―ドキッ
先ほどの苛立ちも一瞬にして消え失せた。
可愛い、なにより先にそう思った。
整った顔立ちに透き通るほど真っ白な肌。
背中まで届いている長く綺麗な髪は純度の高い黒。
『お嬢様』、まさにその言葉がピッタリくる。
そんな容姿が目に飛び込んできた。
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