12月某日

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 物事を簡単に否定するのは、悪いことかも知れない。挑戦できる以上、可能性はゼロじゃないんだし、もうちょっと真剣に考えてみてもいいのかも。 「挑戦するくらいなら…いいかもね」 「ほんと!?ありがとう、葵!!大好き!」 「……え?」  微笑みを浮かべながら、出来る限りの優しいトーンで声を出した私。  それに対して、香奈はさっきまでの表情が嘘みたいに明るい笑みを浮かべている。 「まさか、香奈…あんた…」 「最低でも4人だから~…やっぱりゆりちーとあかねっちにも声かけないと」  やられた。私の気持ち、香奈に弄ばれた…。  半分放心状態の私を尻目に、香奈は早速今後の予定を立て始めている。  ここまで来たら、もう香奈のペース。逃げられない…。 「ねぇゆりちー、面白い話があるんだけど…」 「逃げてー!!」  教室に入るなり、香奈に声をかけられてるゆりちー。無駄だと思いつつも、私はそこへ逃亡するよう叫び声を上げた。  このあと結局、私、香奈、ゆりちー、あかねっちの4人でイベントガールへ応募することになった…。
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