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『忠義…赤ちゃん出来ちゃった…』
それは僕にとって嬉しいことでもあり、悩むことやった。
何で悩むかって?
『嬉しい。でも体は大丈夫なん?』
僕が言った。
そう、彼女は生まれつき体が弱かった。
運動も五分も経てば心臓が苦しくなる。
かなり弱かった。
『あたしはね…自分の命がもしかしたらなくなるかもしれないって分かってる。けどこの子だけは…産まれてきてほしい。』
そう訴える彼女はとても真剣で…
でも僕は二人とも助かって欲しかった。
けどその可能性が低いことは十分承知していた。
『優の思いは分かった。でも僕は二人とも助かってほしい。せやから考えてもいいか?』
僕には考える時間がほしかった…
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