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『ありがとうございました』
そうしてコンサートが終わった。
楽屋に戻った俺はハッと彼女のことを思い出した。
ドームに戻るともうお客さんはいなくて…
『あー遅かった…』
後悔した。
もっと早く気づいてれば彼女を追いかけることができたのに
それからの俺はずっと彼女が頭から離れなかった。
でも気づいたんや。
明日も同じ時間にあの交差点にいけばまた会えるんじゃないかと。
*
次の日。
最終日、俺はわざと遅く大倉を迎えにいった。
まぁ大倉には怒られたけど。
それから電車を降りて交差点まで辿り着いた。
やっぱり…
横断歩道を挟んで俺の反対側には
彼女がいた。
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