苛つく奴

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      アヤメは小さなオルゴールのついた宝石箱を見つけた キラキラしたジルコニアが星の輝きのように埋め込まれ 哀しげな少女が瞳を閉じ、一粒の小さなジルコニアがまるで涙のように光った 蓋を開くとオルゴールが綺麗な音を奏でる これは…? いきものがかりの“YELL” サ♪~ヨ♪~ナ♪~ラ♪~ハ♪~カナ♪~シイ♪ 「お兄ちゃん? これが良い、これ買って」 「ふーん、今年は意外と早く決まったな。 そんなんで良いの?」 「うん…」 アヤメは宝石箱の包みを大事そうに持って言った 「お兄ちゃん、もう良いよ 彼女のとこに行ってあげて。」 「アヤメ…? 良いよ、約束した訳じゃないし夜まで一緒に居てやるよ」 「良い! 友達と、待ち合わせてるから…」                
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