苛つく奴

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      「アヤメ~顔がおっかないぞ~ 綺麗な着物着てるんだから、そんな怖い顔しないの!」 「あっ、ごめん! なんかお正月早々苛つく奴見ちゃって…」 「苛つく奴?」 夏樹とカンナは顔を見合わせた 「へー珍しい、アヤメが人の事そんな風に言うなんて…」 うんうんと頷くカンナ 「そうなの! いつもいつも人の視線の先に居るのよ ふと気が付くと眼が合うの! 全く、苛つくと思わない?」 「アヤメ? それって…」 夏樹とカンナはもう一度顔を見合わせ 「気になる奴! の間違いじゃない?」 と呟いた 「なに?」 「イヤ、別に…」 相変わらず鈍いね? ねぇどんな子なの? それが、私も知らないのよ! え~夏樹も知らないの? アヤメはまだ【苛つく奴】の話を淡々と続けている そんなアヤメを愁夜は不安な顔で見ていた                
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