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葵 Side
走った
走った
情事後で足も下腹部も腕も
全てが倦怠感に包まれて、
幾度となく転びそうになったけど
兎に角、走った
きっと、周りの人間から、こんな姿と走り方で夜の繁華街を走ってるなんて
滑稽に見えるだろうな
そんな事を大脳新皮質の隅で考えながら
走る
今は、もうご主人様のお側にいたくないから
否、いるべき理由が見つけられないから
だって、捨 て ら れ た
飽きた、って言われた
本当に、捨てられた
其の言葉がずっと蜷局を巻いて、俺を締め付けてくる
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