陵辱、蹂躙そして奥悩

27/30
前へ
/161ページ
次へ
――――――― ――――― ――― 「……綺麗な家」 何処にも誉めるような場所がないこの家を、葵は一言で片づけてしまった だが、俺はそんな葵を突き飛ばしていた 何故だかあまり分からない、葵はもっと分かってない だから、あいつの健気な目には涙と疑問符が浮かんでる 何で?何で?っていう文字が、今にも葵から溢れ出しそうだ 葵の瞳を見ていると 好きとか嫌いとか、そんな単純な感情じゃなくて もっとぐちゃぐちゃした色んな感情が一気に押し寄せてきた それに伴って、血が上って体が熱くなっていく それからの記憶はあまりない ふと、気づけば俺の足やら拳がジンジンと疼いて 俺の傍らに葵が横たわっていた 一応息はしてるから、 まだ生きてるんだろう 別に、殺す気はなかったけど でも、こいつの存在は消したい俺の脳内の記憶からと思う だって、葵がいなければこんな思いをする筈はなかったのに……… 何で俺、こんな奴に一々ムカついたり、哀れんだり、動揺したりしてるんだ? それが分からないから不安になって 葵を傷つける ずっとそれの繰り返し
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

293人が本棚に入れています
本棚に追加