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ガクッ……!
「……っう」
遂に笑っていた膝が落ち、ぐるりと視界がスローモーションで反転する
その一瞬後に、あぁ転んだんだなとようやく理解した
痛い、
躯も打ちつけて痛いけれど、
周りの人達の目玉が俺を突き刺してくる
こんな惨めな思いをするくらいなら、いっそのこと此処から消えてしまえば良いのに
もう、誰にも触れられたくない
大丈夫か!?なんて声をかけてくる偽善者みたいな奴もいたけど
、もう助けもいらない
だからと言って
立ち上がる術もまだ見つかっていないのだけれど
一度転べば、立ち上がる体力すら残ってない躯に突き刺さる視線が
いつまでもこびりついているように消えなかった
だからずっと、その滑稽な転んだ姿の儘、下を向く
視線が合いたくないのもあるけど、突然目から垂れてきた雫を見られたくなかったから
今更、何の役にも立たないもの
が何で溢れてくるのかも分からなかった
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