293人が本棚に入れています
本棚に追加
葵さんを傷つけないように、優しく問いかける
「それで行く宛もないとか…?」
その言葉にびくりと反応して葵さんは息を漏らす
「………っ」
口元へ近づかないと聞こえないような細い声が全てだった
そして、葵さんが待ちに待ってたこの一言……
「それなら俺の家来ない?そんなんじゃ寝るとこ困るでしょ、」
ほら、
凄い救われたような、暗黒の世界に突然閃光が走ったような顔してる
さっきまでは絶望にうちひしがれてた、って感じだったのに、ね
こんな男の、たった二言三言を
うん、とも返事する間もなく承諾しちゃう俺の目の前葵さん
そういうとこが無防備、なんだって
だから、あの店のオーナーの言ってる事ホイホイ信じて無理矢理他の男に犯されて(でも、そういう素質がありすぎる葵さんも悪いと思う)
それで、今まで散々他人に良いように使われてたんでしょ?
でも、今は、俺がいる
俺がこれ以上、葵さんを汚さないようにして(塗りたくられた傷は治しようがないけど)
今は俺だけ、だよね…?
俺だけが、葵さんを汚せるんだよね?
最初のコメントを投稿しよう!