293人が本棚に入れています
本棚に追加
人目を避けて
少し暗い路地を歩く
2人いるのに、俺の足音しか聞こえないから少し寂しい
でも、自分の背中に覆い被さってる体温が愛おしくて、家までの長い道のりも苦ではなかった
まぁ、葵さん自身もそんなに重くないしね
首にかかる吐息が安定してきたから、寝ちゃった……?
「葵さーん…?」
「………ん、ぅ…」
うとうとしてるんだ
可愛い
「もうすぐ俺の家着くからね」
「………………んっ」
返事かどうか分からないような唸り声も愛おしいって思う
自分で言うのもあれだけど
俺、結構重症だ
家着いたら寝ちゃってるかなぁ
それはそれで良いけど
葵さんが可愛すぎるから、
ちょっと我慢出来ないかもしれないなぁ
そんな不逞な事を平気で考えながら、帰路を急ぐ
人通りの少ない通りの街灯も、どんより湿った空気も全部
俺と葵さんをの事を認めてくれてるみたいで、足取りが軽くなった
最初のコメントを投稿しよう!