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橙色の光が差し込んで、眩しいと俺の恋人は目を伏せる
沈みかけた夕陽が葵ちゃんの瞳を浸食して
チョコレート色に染まった瞳が俺を捉え、可愛いらしい唇と上手く回らない舌が言葉を紡ぐ
「なぁ…、う、は………」
「…ん、なに?葵ちゃん」
戸惑い気味で若干虚ろなその瞳は、滑稽な位くっきりと俺を写していて、
「あ…んな、愛 ってなに、なん?」
クスリで呂律が回らない筈なのに、何で愛って言葉だけはっきり聞こえたんだろう?
葵ちゃんの口ピをした唇は
馬鹿な恋愛ゲーム大好き女が言う様な言葉を吐いた
そんな愚直で下らない台詞、口が八つ裂きになっても言ってほしくなかった
なんて考えてる俺は本当最低だな
自分が答えたくないから、逆に葵ちゃんに問う
「じゃあ逆に、葵ちゃんは愛ってどういう形だと思う?」
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