うそつきは泥棒だ

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「なあ、カイル、さっきから何を見ているんだ?」  ミツルが好奇心丸出しに、ウキウキと聞いてくる。あまり寝ていないからか、ミツルはやけに元気がいい。 「道が、わかれていまして」  三本にわかれた道は、どうやらまた一本につながるようで、どれを通ろうと構わないようである。 「じゃあまっすぐ行こうぜ!」  ミツルは迷うことなく、まっすぐに進む道を指さした。左の道は森に続き、右の道は大河に続いている。真ん中の道は、一番何があるかわからない道だ。カイルは首を振った。 「先に何が待ち受けているかわからない道は危険です」  しかしミツルは引かなかった。 「どの道を行こうが、危険はあるさ。迷ったときは、まっすぐ進むのが俺のポリシーだ」  そう残し、一人でまっすぐ進んでいってしまう。カイルは、はぁっと笑い、かなわないな、とつぶやいた。ずっと黙りこくっていたジェイは、カイルが歩きだすと、その後に続いた。
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