第二章~文久3年 1863年~

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‐通常‐ ―――――――― ―――――― ―――― 「ふぁあ~。よく寝たなぁ...あ?」 起きた途端に早速目に飛び込んで来たのは、木の模様が様々な形を描いている天井と、ジーッと私を見つめている人と腕組みしている人。 目をよーく擦り、その2人をジーッと見た。 「...誰?」 丁髷(ちょんまげ)に丁髷。 全く何をふざけているのだろうか、この人達は。 「時代劇オタクかッ☆」とツッコミたくなったが、流石に初対面の人にそう言うのは、あまりにも失礼なのでやめておいた。 しかし今時、珍しい人がいるもんだ。 そう思いながら、一先ず起きようとした。が、右肩に激痛が走り、又、布団に戻った。 『そう言えば、怪我してたんだっけ...?』 まだズキズキいっている右肩をチラッと見ると、包帯が巻かれていた。 「大丈夫ですか? もう三日間も寝ておられましたよ!」 と、私をジーッと見ていた人に声を掛けられた。 「そうなんですかッ! それは迷惑を掛けました…どうもすみません。」 この傷の手当てをしてくれたであろう、この命の恩人達に寝ながら話すのも流石に失礼だろうと思い、今度は傷を気遣いながらゆっくりと体を起こした。3日間も寝てしまったからだろう。流石に体全体が怠い。 「しょうがねぇだろ。怪我してんだから。 まあ、怪我が完治するまでここで養生すると良い。」 「あ...はい。ありがとうございます。それに、怪我の手当てまでして貰っちゃってすみません。」 「あぁ、構わねぇよ。」 腕組みをしている男は口は悪いが、根は良い人のようだ。 「ところで、ここってどこですか?」 思い切って一番聴きたい事を聴いてみた。
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